【新唐人2015年12月21日】
11月23日の夜、甘粛(かんしゅく)省隴南(ろうなん)市の選鉱工場で、排滓(はいさい)の流出事故が発生し、3千立方メートルの尾鉱(びこう 注:有用でない鉱石)砂が付近の河川に流れ込みました。これにより、嘉陵江(かりょうこう)及び西漢水(にしかんすい)の300キロ以上に及ぶ水域で基準値を超える量が確認され、甘粛、陝西、四川3省の10万人以上の飲用水に影響を及ぼすことが危惧されています。
11月25日、隴南市成(せい)県の水務局は、「西漢水の水を人や家畜の飲用水とすることを禁止する緊急通知」を発布。西漢水を水源とする少なくとも10万人の飲用水が確保できなくなりました。
同市西和(せいわ)県の村民は『新唐人』に対し、「河川の汚泥は徐々に減ってきているが、地方政府は水源地に穴を掘り、尾鉱を埋める方法を採用しているので汚染は無くならないうえ、農作物は全滅し、農民は不満を抱いている。」と訴えています。
隴南市西和県村民 張さん
「河の水は変色し、井戸水も使えないので、山の水を飲んでいます。飲用水問題は西和、康県、成県や陝西省の漢中で起きています。測定報告では正常値だと伝えられていますが、陝西では基準値を600以上超えています」
事故の起きた甘粛隴星銻業(ろうせいていぎょう)公司は2003年、西和県に設立され、崖湾(がいわん)アンチモン金属の埋蔵量は全国で3位。常に流れ出ている尾鉱が汚染を作り出していると村民は話しています。
隴南市西和県村民 張さん
「11月23日夜尾鉱ダムが決壊しました。現地の損失は非常に大きいものです。以前から汚染があり長年村民が、問題を報告してきましたが、政府は処理しませんでした。監督管理不十分は官商結託が原因でしょう」
12月18日、記者が隴南市水務局、環境保護局、環境監査局および汚染地区の地方政府に電話を掛けましたが、繋がりませんでした。
甘粛省環境保護庁 職員
「本件は我々の管理に属さない。環境監査局に尋ねてみて下さい」
公開資料によると、アンチモンの毒性はヒ素に似ており、EUは危険性の高い有害物質と発がん性物質に指定しています。
新唐人テレビがお伝えしました。
http://www.ntdtv.com/xtr/gb/2015/12/18/a1242332.html (中国語)
(翻訳/赤平 ナレーター/藤坂 映像編集/李)